煙が目にしみる

   煙が目にしみる
   
    舞台写真












今日は野々村浩介と北見栄治の葬儀の日である。


火葬直前の故人二人が桜を眺め 自己紹介をし 
これから向かう三途の川などの話をし、二人でタバコを吸い
ともにあの世へ行く伴連れになる
 
 7  いよいよ火葬にされる前の焼香。


色々と周りに世話を焼く小松がいる
 
   この時間になっても 浩介の息子の亮太はまだ現れない。

浩介の母の桂は どうやら最近少しぼけてきたようである。

浩介のいとこの泉は 頼りない夫の正和を叱りつけながら
何かと用事を言いつけている。

泉はこの葬儀に 市会議員に立候補しそうな小松の
でしゃばりな態度に業を煮やしている。

そこへ 北見の娘の幸恵、レンタルビデオ店の牧もやってくる。

正和は 牧のところで 借りているビデオのことなどを
泉にはあまり知られたくないらしい
 
   火葬中 野々村と北見は 休憩すると言ってやってくる。

桂が現れ この二人の姿が見えるといい 息子の死を 理解する。

そのうえ栄治の死に興味を持ち 栄治もまた
32歳も年下の愛人の部屋で突然死した顛末を話す。
 
    桂はこの話に喜んで興味を示す


浩介は栄治に自分の家族を紹介する
 
   泉は 浩介が前年まで監督をしていた高校の出ている甲子園の
野球観戦をしているときに 幸恵がチャンネルを変えたことに抗議する

幸恵は東京でタレントプロダクションを経営していて 
そこのタレントの初仕事をみたかったのであった。

二人の間は険悪になる浩介の娘 高校生の早紀は 
タバコを吸っていたのだが 浩介はここにきて初めてそれを知る。

 
 
    インドネシアに行っていた浩介の息子の亮太は 
ここへきてようやく 火葬場に到着する 。

遅れた事をわび 父親に会えなかったことを悔やむ
 
   久々の一家そろっての時間に浸る浩介と残された家族。

そこへ栄治の愛人のあずさがやってくる。喜ぶ栄治。

桂と浩介は 二人だけの時間を 作ってやろうとする。
 
   そこへ現れた幸恵は あずさを追い払おうとするが 
桂が栄治に頼まれてあずさをよんだことを打ち明ける。

あずさは これまでの二人の関係を話し 
インターネットで寄せられた多くの弔電と 
栄治が亡くなった妻の出演しているビデオを差し出す。

長い間レンタルしていたビデオを返せなかった栄治の 
妻に対する愛情を理解した幸恵は あづさに 
共に父を送ってほしいと頼む
 
    桂が 死人と話せることを信じた浩介の妻の礼子は 
桂に 夫に言うことを伝えてほしいと頼む。

礼子は これまでの礼を述べ 
しかし自分を置いていったことへの恨みごとを言う。

浩介は 残された家族にそれぞれ言葉をかけ 
そしていつまでも愛しているということを伝える
 
   亮太の提案でそこにいる二つの家族や 
ここで居合せかかわった人たちみんなで 
写真を撮ろうという。
 
それはインドネシアのスラウェシ島で羽の大きさや色が違う蝶が
同じ一族のように集まって水を飲み羽を休めるかのように、、、、。

桜が舞い落ちる。
     
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