王子とガマガエル 舞台写真

     
   スルタン王国では、王子の
成人の祝いの話でもちきり。

当日は国中から国民が集まり 宮殿で華やかに 舞踏会が行われた。

町の娘たちは次々に王子と踊ることができた。
                
 
     
  王子が 魔女の娘マラーニャと踊っているのを見とがめた国王は、誰の許しを得て 宮殿へ来たかと問い詰める。

王子エメリアンの名付け親の魔女は 何がいけないかと怒る。

 この時 王子の態度に 娘を気に入っていると感じた魔女は 娘を妻にしないか と尋ねる。
 
     
  国王は笑って 魔女の娘を妃にするくらいなら ガマガエルと一緒になったほうがましだという。

怒った魔女は この先 王子が一番初めに好きになった娘は 体中に緑色の斑点が出て 高熱に苦しんで死んでいくという 呪いをかける。 

国王は エルビディンに 魔女を始末するように 命令する。
 
     
   町では 事の次第を知らない町人たちが 王子の引きこもりの噂話をしている。

王子は 自分が誰かを好きになって その人を死なせてしまうことを恐れ 誰にも逢わないようにと 引きこもってしまっていた。

国王たちは このままでは 王家が途切れると、王子に見合いをさせようと 画策する。
 
     
  そんなある日 王子の部屋に大きなガマガエルが入り込んでくる。 王子はその醜さに
魔女の娘に 言った言葉の残酷さを思い知る。

その頃 魔女は いなくなってしまった娘を探していた。 
 
     
  自分たちが 魔女の娘に ガマガエルの方がましだと言った罪で、神が自分にふさわしいと ガマガエルを遣わされたのだと嘆く王子。

色んな理由を付け 娘たちが見合いにやってくる。

好きな食べ物はとの質問に 王子の好きなものだと答える娘。

私は ガマガエルを生で食べるのが好きなのだが、、。
 
     
  もちろん 私も大好きです。
そう言って娘がカエルに手を伸ばすと カエルが動く。

娘は悲鳴を上げて逃げ出す。

次に来た娘は何をするのが好きかという質問に 王子の好きなことが好きだと答える
  
足を縛っているのは と聞くともちろんと答え 一足飛びで茶器をばらまきながら 去る娘。

王子はその主体性のなさにため息をつく。
 
     
  7歳の子供が 母親に言われて 結婚の意味も知らずにやって来る。

またその次は 王子の妃 という立場だけに憧れて 歳を十も十五もごまかしてくる娘。

もし、私が 君を気にいったら、、、、 
 
     
  私は君を殺すのだよ
娘はあわてて逃げ出す。 

そうなのだ。自分が愛する相手は 死んでしまう。 
王子は悲嘆に暮れる。

自分の思いが誰にも理解されないと 嘆く王子に どこからか どこかにきっと分かってくれる人がいるわと 美しい歌声が聞こえてくる。

城へはそれからも 次々に 娘たちが 見合いに訪れる。
だれもが 王子の妃になりたいのである。
 
     
  町ではだんだんと 王子のよくない噂が 流れ始める。 

人に逢ったり 誰かを愛するのをおそれる王子に 愛は決して悔やんだりしない と歌う声が、、。 声の主はガマガエルであった。

自分はおかしくなってしまったのか? カエルの声が聞こえるなんて。
 
     
  よく心の耳をすませれば カエルの言葉も、、、。
.
王子の目には かえるたちのダンスまで、、、。

それから 王子は カエルとの会話を楽しむようになる。

カエルは自由のない王子に
外界の 色々なことを 教え話し、 二人?の心が 通い合うようになる。 
 
     
  魔女が娘探しから 帰ると 家には マラーニャがいた。
しかし 娘の体には 緑の斑点が出、高熱も出ていた。
これは、、、?
魔女は覺る。 自分がかけた呪いのせいなのだ。王子が
娘を愛してしまったのだ。

娘はガマガエルの方がましと言われた悔しさで 王子にはこれがふさわしいのだと醜い姿を見せつけに行き 王子と仲良くなってしまったのだった
おっかさん、王子は私が魔女の娘とは知らないの。知ってたら友達になんかなってくれないもの
 
     
  城では 国王が 王子に なんでもいいから誰かを好きになれと 命令していた。
王子は 久しぶりに訪れたカエルを見て喜ぶ。
君に名前をつけなきゃね。
私の名前は マラーニャよ。
マラーニャ?魔女の娘の名前だ。
そう 私は魔女の娘。もうお別れだわ。
王子は カエルが緑色になってきた理由を覺る。 自分はカエルを 魔女の娘を 愛してしまっていたのだ。そして それは魔女の娘が死んでしまうということだ。
 
     
  お前は結婚しろ。そうすれば情も湧いて相手を好きになるだろう。それで相手が死んだら もう一度結婚すればいいのだ。
王の言葉に 私にはもう決めた人がいます。でも もうすぐ死んでしまう。結婚式をあげます。準備しておいてください と マラーにゃを迎えに行く王子。
訳もわからないが とにかく良かったと 王は準備を指示

魔女の家では マラーニャが
王子と終わってしまったことを伝え嘆く。悲しむ魔女。
 
     
   そこへ 王子がマラーニャに結婚を申し込みに来る。

お前が娘を愛したから マラーニャが、、、。魔女は王子に切りつける。

私が死ねば マラーニャは助かるのか?

そうしてくれと言ったら出来るのか?

本当に愛しているのでなければマラーニャの体がこんなふうになるはずがないのだ
 
     
  呪いの意味を知らないマラーニャは王子のプロポーズに 少し待ってくれと。

だめだ もう 一秒だって待てない。

魔女は マラーニャに すぐ城へ行くようにすすめる。 
 
     
  宮殿では 祝いの準備が進められていた。

人々は王子の相手が魔女の娘だと知り驚くが やがて祝福をするようになる。

しかし 、、、。
 
     
  マラーニャは その場に崩れ落ちる。

抱きとめる王子。 
悲鳴をあげる人々
駆け寄る 魔女。

国王は やれやれとその場を離れようとする。

お待ち!お前のせいだ。
 
 
     
  魔女は怒りの刃で 王に襲いかかる。 
その前に王子が割って入り
王子の前に 王妃が両手を広げてたちふさがる。

王が死ねば娘が生き返るのか?と問う王妃。

悲しいのはあなただけではない。私は愛する妻を失い今父まで失おうとしている。

妻という言葉は魔女の胸を打つ

王妃に促され、詫びる国王
 
     
  何も悪いことをしていない魔女親子を 差別し忌み嫌った多くの人々 王の心無い一言憎しみの呪いをかけた魔女、こうなることを知りながら愛してしまった王子、すべての人が貴方の娘を死に追いやったのです。

この言葉は そこにいるすべての人の心を打ち、魔女は悲しみにくれる。

その時、、、 
 
  悲しまないで 争わないで 私は幸せだったのだから、、、。 

マラーニャニャの歌声が 流れてきて、マラーニャの体は浮き上がり やがて天へとのぼりつめる。
 
  マラーニャッ!!

王子の叫び声が 悲しく響きわたる。




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